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2013年07月10日【 赦免花とソテツ 】

島内のいろんな所で、ソテツの花が咲きだしました。ソテツは、雌雄異株で、今頃花を咲かせます。秋から冬には鮮やかなオレンジ色の実がなります。




雌花


これは、雌花です。そして、このボンボンの中は・・・





子房


小さな小さな子房がみえます。これが、種子になって秋にはオレンジ色の実になるんですね。





雄花


そして、こちらが雄花です。この雄花の事を「赦免花」と言いますが、もともとは、江戸時代の流人、慈運法印というお坊さんのお墓に植えてあったソテツの雄花のことでした。
慈運法印は、何年も無実を訴えましたが、聞き入れてもらえず抗議の断食をして壮絶な最期をむかえました。その姿を哀れんだ人々がねんごろに弔い、ソテツを植えたと言います。
それから、このソテツが咲いた年には、江戸から赦免の沙汰が届くといわれ、流人はこの花が咲くのを待ち望んでいました。実際に、その通りになった事も多々ありました。
八丈島への流人第一号の宇喜田秀家の一族が赦免になった時も、この赦免花が咲き、約260年に亘る長い流人から解放されたのでした。

なんだか、不思議な嘘のような本当の話です。

作成日:13.07.10
投稿者:kinoshita


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